平成11年5月
京都で一人暮らしをしていた私に彼(今の主人)から電話。
彼 『おかんとおとんが旅行に行くから、旅行の間セキセイインコを預かって
くれへんか?』
当時私は動物は大好きでしたが、全くと言っていいほど鳥に興味がありませんでした。
無表情で、足は爬虫類みたい、犬みたいにしっぽを振るわけでもなし、どこが可愛いのかわからなかったのです。
だけど、小さい頃(記憶は薄いですが)家でセキセイを飼ってたり鶏を飼ってたこともあり、嫌いではなかったし、断る理由もなかったので預かることになりました。
数日後、彼がセキセイインコの『ちびちゃん』を連れてやって来ました。。。ちびちゃんは生後8年、人間で言ったらお爺ちゃんです。
私 『この仔喋るの?』
彼 『昔は喋ってたらしいけど、おとんもおかんもスズメを飼いだしてからスズメばかり
可愛がるようになって喋らなくなった?か言葉を忘れたらしいわ〜』
私 『ふ〜ん・・・言葉忘れるんやぁ。。。』
その日から私は、人生で初めて自分が鳥の世話をすることをになったのです。
昔実家でニワトリやセキセイを飼っていましたが、私がとても幼い頃のこと。。。
お世話などもちろんしたことがありませんでしたので、何もかもが初めての経験でした。
お義母さんに言われた通りに餌をあげ・・・
私 『せっかくだから、遊んでみる??』
恐る恐るちびちゃんを指に乗せて話かけてみたり・・・毎日触れ合ってみることにしました。
そうして一緒に生活していくうちに、私の中で鳥に対する気持ちがなんとなく変わってきたのです。
そして1週間経ったある日。。。
いつもの様にちびちゃんを指に乗せて話しかけてたその時!!
『ち〜びちゃん、かちこいな〜・・・ち〜びちゃん可愛いな〜・・・ち〜びちゃん、ひと〜つ、ふた〜つ、みっちゅ!』
突然せきをきったようにちびちゃんが喋り始めたのです!!たくさんたくさん、一生懸命私に語りかけるように・・・
私はその時わかりました。ちびちゃんは言葉を忘れたんじゃない、すねてたんだ・・・寂しかったんだ!
私 『寂しかったんだね・・・ちびちゃん、上手やね、ちびちゃん・・・お利口やね・・・』
私は何故か涙がポロポロ出てきました。。。
そして鳥の利口さと、人間と重なるような性質に心を引かれ、その日以来どうしようもなく鳥が好きになったのです。
ただ、この仔は彼の両親の仔。
『そんなに可愛いんだったら、引き取ったら?』と彼は私に言いましたが、『この仔はお義父さん達の家族でしょ?それはできないよ・・・』と言いました。いくらスズメを可愛がってたといえども、8年も一緒に暮らして来たんだから、可愛くないはずがないと思ったからです。
預かる期間の2週間を終え、ちびちゃんは帰っていきました。。。
たった2週間だったけど、ちびちゃんがいなくなった部屋は静かで、寂しくて寂しくて・・・
そして私は、鳥を飼うことを決意しました。
あの羽根に触れたい…お喋りを聞きたい…そんなことばかり考えるようになりました。
これが私の鳥との出会い。。。
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